こんな悩みを解決できる記事を書きました!
この記事を書いている僕は、家電量販店に10年以上つとめており、数々のオーブンレンジの販売実績があります。
オーブンレンジの機能って大きく分けると3つ(あたため、オーブン、グリル)あるんですね。
僕はレンジの接客時にお客様に必ずする質問が2つあります。
一つは「この3つの機能の中で一番使うのはなんですか?」
95%の方は「あたため」と答えます。
今度は質問を変え「今、お使いのレンジの不満点は?」と聞くとダントツ1位が「あたためムラ」なんです。
つまり多くの方がレンジの本質機能である「あたため」に関して不満を持ち、レンジを買いに来られています。
そこで重要となってくるのが「センサー」です。
記事では「センサー」の特徴や違いを分かりやすく解説。
この記事を読み終えることで「センサー」の違いが理解でき、あなたにピッタリのオーブンレンジを選ぶことができますよ!
「あたため」ではなく「オーブン」と「グリル」ついて知りたい方はコチラの記事をどうぞ。
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センサーとは
一言でいうと「計測器」です。
写真のように「計測器」といっても様々。
オーブンレンジには「5種類」の計測器(センサー)があり、それぞれの方法で食材のあたため状況を見守ってくれてます。
センサー比較
センサーは「自動あたため」時のあたため精度に大きく左右されます。
結論「赤外線」センサーがあたため精度No.1ですが、その「赤外線」ですらデメリットもあるんです。
1つの1つのセンサーの特徴をもう少し詳しく見ていきましょう。
重量センサー
重量センサーは、庫内に置いたモノの重さを測るセンサー。
総重量(食材+お皿)のあたため前後の重量差から時間を計算します。(食材はあたためると水分が蒸発して重さが減ります)
日立のレンジや「ターンテーブル」型(お皿が回転するタイプ)のレンジはこちらのセンサーを使っているんですよ。
メリット → 安価
デメリット → お皿の重さによりあたため時間が左右されてしまう。つまり重いお皿を使うとあたため時間が長くなり、逆に軽いお皿の場合はあたため不足になったりします
温度センサー
温度センサーは食材の温度ではなく、庫内の温度を測定してあたため時間を計算。
あたため時ではなく、オーブン機能の温度管理で使われています。
温度センサーの現物はコチラ。
湿度(しつど)センサーと蒸気センサー
湿度センサーと蒸気センサーは、あたため中に食材から出る水蒸気を測定して計算するタイプ。(なのでラップの使用はNG)
2つのセンサーはベツモノで、湿度センサーは水蒸気の「量」、蒸気センサーは水蒸気の「熱」で判断するんですね。
どちらかと言うと「蒸気センサー」の方が優秀です。
なぜなら湿度センサーは、あたため時にまずセンサー自体を乾かす時間(約30秒)が必要で、蒸気センサーよりあたため時間が長くなってしまうからです。
赤外線センサー
赤外線センサーは、食材の表面から出る赤外線の量を測定することで、食材表面の温度を判断します。
今までのセンサーとは違い、赤外線センサーは食材の温度をズバリ「直接」計測できるのであたためムラが少ないんです!
そんな赤外線センサーにもデメリットがあります。
庫内温度が高いとき(調理後)はあたため機能がうまく働かないこともあるので、そんなときは庫内温度が少し冷めてから使う必要があります。(ちなみにパナは庫内が260℃以上だとエラーが出ます)
赤外線センサーは3種類
優秀な「赤外線」センサーも実は3種類に分かれます。
特徴をサクッと解説しますね。
赤外線センサー(1点式)
庫内のど真ん中1点だけを見るセンサーです。
メリット → 赤外線センサーの中では一番安価
デメリット → 後述する2つのセンサーと比べるとあたためムラは発生しやすい。例えばご飯を70℃であたためる時、真ん中1点さえ70℃に上がっていれば、ご飯の外側が50℃でもあたためが終わってしまう
スイング赤外線センサー
センサーが庫内全体を右や左(または上や下に)に動かしながら全体を見るセンサー。
シャープはムーブセンサーと言ってますが、仕組みは同じです。
メリット → 前述の1点センサーよりあたためムラが少ない
デメリット → 後述する64眼センサーに比べるとあたため精度が劣り、時間も長くなる
64眼スピードセンサー
庫内全体を64エリアに分けて、常にその全エリアを同時計測できる最高性能のセンサーで、業界でパナだけが搭載してます。
「スイング式」との違いは上の動画が分かりやすいかと。
このセンサーが力を発揮するシーンはたくさんありますが、例えば「焼きそば」のあたためがその一つ。
「焼きそば」って麺もあれば野菜など具材が様々で、具材や大きさによって温度の上がり方は様々。
でもこのセンサーなら常に64つの「眼」で庫内全体を見守ってくれてるから、上手にあたためてくれるんですよ!
メーカー比較
最後に売れ筋4メーカー(パナ、シャープ、東芝、日立)の最上位モデルのセンサー比較をまとめてみました!
各メーカー上位機種には「赤外線」センサーだけでなく、プラスで「湿度」や「重量」などのセンサーも搭載されてますが今回は「赤外線」にマトをしぼっています。
各メーカーの特徴を1メーカーずつ解説していきますね。
パナソニック「ビストロ」
パナの「64眼スピードセンサー」については前述してますので、ここではセンサー名にもある「スピード」について少し解説を。
このセンサー、庫内全体を「0.1秒に1回」スキャンしているので、火加減が難しい麻婆豆腐などの「とろみ」も的確にコントロールして、こびりつきを抑えておまかせ調理してくれるんです。
結果、超人気レシピワンボウルメニューができちゃうんですね。(最近は他メーカーも同じような機能を搭載してきてますが、料理の仕上がりはパナがNo.1かと)
実は僕も64眼スピードセンサー搭載機種を使っているのですが、「あたため」より難しい「解凍」も正確で、冷凍したひき肉が芯までほぐせ、ホロホロに解凍できちゃいます!
シャープ「ヘルシオ」
シャープは「64眼赤外線ムーブ」ということでパナと名前が似てますがスイング式になります。
シャープはあたため時「赤外線」ではなく「湿度」センサーの方を重視しており、以下のような特徴があります。
メリット → オーブン調理後など庫内が熱くても「あたため」が使える
デメリット → 湿度センサー重視なので赤外線と比べてあたため精度が落ちる
東芝「石窯ドーム」
東芝は「ねらって赤外線センサー」ということでスイング式を採用。
スイングしながら庫内全体(1024ヶ所)を検知し、食品温度の高いところを見つけたらスイングをやめ「固定式」に切り替わる仕組みです。
日立「ヘルシーシェフ」
日立は「センター赤外線センサー」ということでこちらもスイング式を採用。
赤外線センサーで庫内全体(120ヶ所)をスイングしながら食品温度をはかり、同時に重量センサーで重量をはかって精度を高めています。
特徴は名前にもあるようにセンサーの位置が真ん中(奥)にあること。
メリット → 上のイラストのようにコップの中の水も上からなら検知しやすい
デメリット → 食品から出る湯気やヨゴレの影響を受けやすく、うまく検知できないことも
まとめ
上記を読んでいただくと、オーブンレンジ購入の際、センサーの違いが分かるようになり、あなたにピッタリの商品が選べるようになります。
今日の内容をギュッとまとめるとこんな感じです。
- センサーとは?
→ 計測器。あたため状況を見てます - センサー比較
→ 5種類ありました。「赤外線センサー」が一番優秀でした - 赤外線センサーは3種類
→ 「1点式」「スイング式」「64眼スピードセンサー」 - メーカー比較
→ パナは64眼スピードセンサー、シャープ・東芝・日立はスイング式でした
「おうち家電」需要で盛り上がりを見せているオーブンレンジ。
今後も各メーカーの進化に目が離せません。
進化したらまたこの記事に追記していこうと思いますので、また遊びに来てくださいね。
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました!